1983-01-01から1年間の記事一覧
▽歳の押しつまった十二月句会は寺沢正光さん追悼の集いとなって弔句を献げ、遺影を前に宿題と共に席題「正」「光」に励んだ。 ▽二月二十一日に逝くなった山岸きよしさんの葬儀に会葬された数カ月後に入院、たまには自宅に戻られたが、十一月二十八日物故。こ…
寒がりとシラケ合唱こだまする 世代交替よそごとならず平手打ち 田中票津々浦々の雪が舞う 伯仲の意地をせっせと磨き上げ 当落の味は他人がやっさもさ 気の知れた仲の微恙のいつか過ぎ なだらかな丘と話して老いに足る 美しい老いのかなたをさぐらねば 乗り…
題字・斎藤章三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎関西川柳界の動向 山岸竜清 (1) 江戸川柳研究小史(二) 阿達義雄 (6) 二柳誌「青柳」と今井卯木 川柳人過去帳(三十三) 奥津啓一朗 (8) 川柳越後志拾遺(六) 西原亮 (10) 【三島郡和島村島…
▽大方の川柳誌がそうだったが、戦争が激しくなって雑誌統制が布かれ廃刊を余儀なくされた。「川柳しなの」もお他聞に洩れず昭和十五年十月号で休刊した。表紙は関野準一郎さんの版画「子守」で特輯蔵書票紹介は二十六号だった。笑姿老人(蛭子省二)さんの「…
熱い目で見られたくない相手たち 選良の名に耐えつづけぞうろぞろ 国挙げて少しは近き理想像 四浪のオジンにつなぐ応援歌 千曲川に鮭四年振りに戻る ひたすらに母なる川として迎え 老疾のいずれ来るべき覚えとか 呼びにやるまでの時の間違い飾り 健やかな老…
題字・斎藤章三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎川柳時評 パチンコ屋で騒ぎすぎる 東野大八 (1) 江戸川柳研究小史(一) 阿達義雄 (4) 川柳人過去帳(三十二) 奥津啓一朗 (8) 課題「美食」 佐藤曙光選 (10) 「這う」 岩井汗青選 (10) …
▽先日、テレビを見ていたら、東京のど真ん中で、案山子のコンクールをやっているのが出て来た。思い思いに考案された案山子が、まるっきり農村風に、また現代風俗を探り入れたもので人の目を引く。案山子の群像とは逆に、稲をついばむ鳩たちで、いかにも都会…
一閃にまばたき億の出る手記 償いのありたき姿描くばかり 憂鬱を人からもらう日の憎さ かまきりをおのれ知るべき青さ濃く 熱っぽく重くひれ伏し呼び合うか 沈んでく国まのあたり虚構の図 捨てる笑いは入歯脱ぎたる夫婦 しこしこと目覚めの雨にゆだねおく こ…
題字・斎藤昌三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎 八十点主義 江畑良三 (1) ―近付く竹二の二十三回忌に― 川柳越後志拾遺(四) 西原亮 (5) 【糸魚川市】神代のロマンス沼河姫 輪講落ち穂拾い(四) 鈴木倉之助 (8) 課題「米」 西沢平凡子選 (1…
▽お盆が過ぎたと思った頃、尼崎市の山岸竜清君がお父さんの新盆で見えられ、関西柳界の変遷をつぶさに語って下さった。 ▽二、三日したら大阪市の柳君子さんがお兄さんのお見舞いで帰郷顔を見せてくれた。話はつい山岸きよしさんの急逝につながった。 ▽大阪市…
父の歳にてくてく歩くいい秋よ 澄んだ目に逢いたいという友を持つ 健やかな老いをくるんだ日の【人篇の愉】み 涙などない別れしてうなずくか また元の道に戻ってたかぶらす 心やる訣別旧き戦火の詩 朝を得て籠の囀りとも合わし ぐるり山々見残しの雲胸に な…
題字・斎藤昌三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎「松本」四話 多田光 (1) 川柳越後志拾遺(三) 西原亮 (7) 【長岡市蔵王】 丹前yかりの蔵王堂城 川柳人過去帳(三十) 奥津啓一朗 (14) 雑詠 大空 石曽根民郎 選 (17) 山彦集 同人吟 (2…
▽教育テレビで古典落語選集が、三夜に亘って放映されるということで、孫の正勝も好きだから私と一緒になって聴いた。一日目は小三治の「お茶汲み」、二日目は歌丸の「いが栗」、三日目は談志の「鉄拐」だった。江国滋が連夜解説し、対談には教授、小説家がそ…
旅すすめられ膝元の山すがた 誰にとも聞かすほどなく弱まり来 恥多き身ひとつ時を惜しまねば 思い知る朝の目覚めのうす明かり 払えずに群がる虫がもついのち べっとりと初戦明暗高い窓 なぐさめの言葉不足のすれ違い 終戦の痛みの蝉をまた鳴かす 選ぶほかな…
題字・斎藤昌三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎切支丹の町長崎 佐野卜占 (1) 輪講落ち穂拾い(三) 鈴木倉之助 (4) (一)「萩の箸」の例句について (二)「切餅を」の句について 川柳人過去帳(二九) 奥津啓一朗 (6) 川柳越後志拾遺(二) …
▽先方では承知だが、こちらは誰だか見当がつかない電話の声で、久し振りをなつかしむ面持ちが先ず伝わってきた。五月のある日の夕方。会いたいというから、こちらから出向こうかと聞くと、夕飯のすんだあとでお伺いしよう、東京の高木能州さんだった。 ▽バス…
いのちにも平均点ある足踏みす 必要とあらば一枚の刃のこぼれ 逃げるとこがある短かいせりふ 絵になってしばらく人を罵らず 揃った指のひとつの道化役者 ありていに昔戻せぬ運のつき 願ってもない話して卵割る 貰い泣きながら届かぬ愛の鞭 知った道なれど占…
題字・斎藤昌三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎想い出あとさき 池田可宵 (1) 課題「葉書」 横川晴子選 (4) 「道」 竹内伊佐緒選 (5) 川柳人過去帳(二十八) 奥津啓一朗 (6) 川柳越後志拾遺(一) 西原亮 (9) 【中頚城郡妙高高原町】 大…
▽久し振りの堀豊次さん、東京で会ったことのある森中恵美子さんお手紙は丁寧な山村祐さん、句集で風貌だけを知る前田芙巳子さん雑誌に生彩を凝らす泉淳夫さん、精鋭を揃え句会の悠揚のおもむきを伝えてくれる北川絢一朗さん、こっそりと来てひっそりと曽遊の…
争点に自分ぼかしのていたらく のぞかれた暮らしここまで来た道で 生きてゆく顔は拒まず会釈して そのときは黙って影を落とし合う 世は末と思いながらのそのかずに 遠い道のり見えてくるそれなりに 月夜をすたすた狐たち侮らず どう見られようしげしげ老いひ…
江差追分(二) 田畑伯史 (1) 輪講落ち穂拾い(二) 鈴木倉之助 (4) 川柳人過去帳(二十七) 奥津啓一朗 (6) 川柳佐渡国(七) 西原亮 (9) 【佐渡の伝説 二】 安寿姫 山岸きよし追悼 御子息 山岸竜清君へ 奥室数市 (12) 北川絢一朗 (12)…
▽久し振りに吟行会で、五月二十二日はあくまで晴れたいい天気である。お互い誘い合ったせいか、いつも午後七時開催の夜の句会と毛色の変ったこともあってか、大勢馳せ参じた。 ▽午前十時八分発、窓際に馴染みの顔をいくつものぞかせ、奈良井川沿いに列車は北…
物欲しげにも見られてのほんのけり うとましく聞き手いつしか乗ぜられ 憂さ消しに喋り納めし人も辞し したたかな子役わが身を裏返す さからわず老いに縋った夜を結ぶ 果てあればこそと思いのしずむ日も いくつかの時代語生まれやせっぽち 一笑に付す気位が邪…
題字・斎藤昌三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎川柳時評・マスコミ解剖 東野大八 (1) 川柳人過去帳(二十六) 奥津啓一朗 (6) 川柳佐渡国(六) 西原亮 (9) 【佐渡の伝説 一】 団三郎狢 葛原勾当日記 石川一郎 (13) 雑詠「大空」 石曽根民…
▽統一地方選挙で学友の吉田末男君が松本市から県議の名乗りを挙げ、またしなの川柳社同人三沢惣治さんのご子息光宏君も塩尻市から新人で栄誉を担った。一昨年物故された惣治さんは塩尻の収入役をつとめられ、のち助役になった。 ▽収入役といえば吉田君と同じ…
そそのかす質問憎くあぶり出し 一生を誰にも呉れぬ玉手箱 訴える声捉えなお信ずる世 よそながら春のことぶれ身の不運 お粗末をさらすに若さとは違い うしろから老いの昂ぶり合わせおく じじむさくつくろう振りをちと利かせ 引き幕の足音聞かす浮き沈み 論評…
題字・斎藤昌三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎近事四編 多田光 (1) 川柳人過去帳(二十五) 奥津啓一朗 (6) 川柳佐渡国(五) 西原亮 (9) 【流人哀話三】 日野資朝と阿新丸 網走早春賦 高橋義博 (13) 輪講落ち穂拾い 鈴木倉之助 (14) …
▽「日本の原爆文学」全十数巻(ほるぷ出版)の企画が進んでいて、詩、短歌、俳句が入っており川柳部門があわや見落とされようとしたのを食いとめた経緯が「森林」第三十一号に出ている。 ▽K氏が紹介した山村祐さんによって資料が提供され、第一部は昭和三十…
山河あり歓びの目に過去を拭く たまゆらの朝の寝覚めに置くいのち 予報当たる雨を聞く耳持ち合わせ パロデイに食う道がある世のうめき 安楽死そこで自分を見つめてか しくしくと寿命嘆かず陽の恵み ぬすびとの大物だけになお喜劇 因業の喪の素早さに掌を合わ…
題字・斎藤昌三 表紙・石曽根正勝 カット・丸山太郎江差追分(一) 田畑伯史 (1) 川柳人過去帳(二十四) 奥津啓一朗 (5)【4】 再び「清見寺膏薬」について 鈴木倉之助 (8)【7】 課題「参考書」 武田綺声選 (10) 課題「ベレー」 所典夫選 (…