1962-10-01から1ヶ月間の記事一覧

十・十一月

▽九月廿九日、朝発つときに同じ東京へ行く近所の娘さんと一緒だつた。私だ弁当を食べているとよく気がついてお茶を買つてくれたり、週刊誌を代り合つて読ませて貰つた。東京に移り住んだ姉さんのところへ行くのだそうな。 ▽案の定、新宿駅の出口に渡辺蓮夫君…

十・十一月

牛乳をあたためる枯葉も素直だよ 思い出のきびしさがなお腹這わせ たくみな演技に紙幣すらも目を見張り きりきり舞いして男の肌を済ます 木枯の歌だが負けてもならず 人の死のやがて自分に戻つてくる 女が読みとつてくれる安易な膚で 慰めが下手盃がころんで…

二三八号

題字・斎藤昌三 表紙・武井清志 【川柳時評】 一つの川柳博士論文 石原青龍刀 【河野春三著『現代川柳への理解』】 柳多留初篇輪講(一) 吉川英治と川柳 篠崎しげを 続・医者と川柳 鈴木重雅 明治狂句界の一断面 奥津啓一朗 【―川柳史基稿―】 雑詠 大空 石…