1963-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八月

▽うちの犬も年寄りになつたと思う。十歳をはるかに越している。人間ならさしむき老齢である。皺くちや婆さんというところ、寄る年波のまにまに腰が曲つて杖を突きたいだろうが、あの風采ではそうもならない。 ▽飼主に自重をうながす世評が手伝つて、このとこ…

八月

みにくい音がかすめるこの小さな善意 よどみなく偽りの舌長く赤かれ くずれくるからだ静かに鎖となる 下着ひそかに払いのけたい記憶 背景を整え野望燃えてくる 自分が可愛くてよごれあれど目をつぶる 軽き疲れ悔いに似てこの齢を思え よごれた影をふり払い若…

二四七号

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 柳多留初篇輪講(一〇) 前句附と遊女 阿達義雄 老残二柳人の記 東野大八 高山の湖水 横内斎 課題「尖る」 豊島好英選 雑詠 大空 石曽根民郎選 山彦集 同人吟 古川柳関係記事掲載目録3 古川柳信濃めぐり(八) 【−一日一話風…