1992-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月

戦争の終わる一ヶ月前に強制疎開の憂き目に遭い、期限ぎりぎりやっと説得して、母親をリヤカーに乗せてわが家と別れた。家族たちはとぼとぼ歩いて連れ添った。 それから立ち直るまで、しばらく僅かに取り壊しをまぬがれた三階建ての土蔵で過ごす。 家をぶっ…

五月

ほんとうの顔をさらしにゆく極意なぐさめが欲しく頑丈な人に会う仲よくて鶴と亀との譲り合いいのち抱く小さき湖のひとり言ぼた餅が笑っているぞまたも留守山国にトロの振る舞いいさぎよしあやにくや問い足らずして寝入りゆくいつかある潰えのうたを耳底にた…

五九〇号(平成四年5月号)

題字 斎藤昌三 表紙 猛進 石曽根隆実 川柳が持つ味 鈴木優子 ひとつの鑑賞 真脇咲 信濃の狂歌(八十九)【五、松本地方(5)】 浅岡修一 柳多留二十九篇輪講(六十一) 川柳評明和八年万句合輪講(十三) 雑詠 大空 石曽根民郎選 山彦集 同人吟 岩井汗青さん…