1961-07-01から1ヶ月間の記事一覧

七月

▽刑事が来た。少しばかり見張らせてくれと言う。真向いの銀行でよく自転車の盗難があるので、犯人をさがし出したい、こゝなら丁度具合いがよいとはつきり打ち明ける。なるほど銀行の玄関の自転車置場を斜向いに眺められる。鍵を掛けてないオトリの自転車を置…

七月

わが団扇対立の底知つていて 灸を据える古きまことに乱れざる 夢を燃えあがらせ逆臣の正座 燃えることある老醜を或いは憎み 遠く親切の瞳をさがし寝入るなり 大物の分厚い掌が代償をとらえ 白い蛾に罪の深さを夜が押す かきむしる記憶ありかの闇に負けじ 酒…

二二四号

題字・斎藤昌三 表紙・武井清志 口絵 武藤完一 幽霊を見た話 新巻圭太郎 江戸川柳より徳川大奥に迫るの記 【−貨幣吟と紋章吟の交錯−】 阿達義雄 枝にぶら下がる革新 荻原鹿声 【柳多留の版元】花屋久治郎遺跡の碑 【−移築によつて意義を失う−】 本山桂川 課…