1965-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八月

▽わが愛犬は年寄りじみた顔もせず、いとし子を五つ産み落した。まるまると太り、可愛げに啼いてこの世に享けた生の喜びを知りながら、産れた五つの首はみなこちらを向くのである。どこかに貰われてゆける倖せがすぐそこにあるようで、毎日乳を呑み、腹ふくれ…

八月

勲章をぶら下げ早く腰掛けたし 一椀の飯に祈りをかぶせおく 運命に逃げぬ群像長じたり 秋果それ〲に熟む女心が待たれ 政治の貧しさに揉むトツプ記事 欲心に目覚めて秋の色を溶かし 求め合うよごれ拭くかに患う老い 物の怪に敢えて抱かれて痛きとが いち早き…

二七〇号(昭和四十年8月号)

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 柳誌月評 柳誌年表(38・10〜11(1))(5) 橘祐 俳句川柳垣覗き 村山重児 木曽節について 小谷方明 課題「欠伸」 森山静園選 雑詠 大空 石曽根民郎選 山彦集 同人 星華集(自選) 三沢惣治 柳多留初篇輪講(三三) …