1963-11-01から1ヶ月間の記事一覧

十一月

▽わが愛犬は従順である。前の晩開放されていた自由に感謝したおももちで、私が鎖の音をさせるとしおしおと近付いて来て首うなだれる。そしていつものように自分の朝の出発に観念してくれるのである。首に拘束の時間をゆだねるときのしおらしさよ。 ▽そのとき…

十一月

ちちははの齢に思いつき朝の寝覚め ハンケチのくしやくしやひと知れぬ賭 掛軸にこころの隅を見せてしまう 犬が仔を生む夜のしじま自分に来る 犬の鼻湿つてやすらぎをととのえ 人のとが見過ごし小鳥籠明るく 酒にがく氷雨は罪をあかしゆけ みにくさの向うに吹…

二五〇号

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 柳多留初篇輪講(十三) 不及外伝読後 大木笛我 さぞや濡れつら 向山雅重 課題「孫」 森山静園選 「閉じる」 竹内伊左緒選 「告白」 矢幡水鏡選 川柳と美 岩本具里院 【‐川柳は定義されないか‐】 雑詠 大空 石曽根民郎選 山彦…