1956-06-01から1ヶ月間の記事一覧

六月

▽週刊読売の臨時増刊の「現代奇人怪物読本」といふのがこの五月に出た。そのなかに三重県に住んでゐる西田武雄さんが、街の奇人・村の変人のひとりとして紹介された。西田さんは毎月一回必ず時局を諷刺した狂歌を書いてよこす。終戦の年に東京の生活を主張す…

六月

近什 蝶はおし黙らねばならぬ夕やけ雲 羽ばたきの音ある蝶の恋のしづく 蝶の羽の粉の憂ひの散りゆく日 毒舌をふさぎに蝶は大きい羽 蝶はわが影のいとしさから狂ひ 下手くその舞踊の蝶も克たんとし 蝶の夢彩を重ねて沈みゆく 羽たゝむ羞恥の蝶の病みはじめ 蝶…

一七〇号

表紙 梅雨 丸山太郎 口絵 高崎山の猿 武藤完一 写真 蝶ヶ岳 穂苅三寿雄 「柳多留」146篇と安南吟(上) 阿達義雄 「田舎樽」の環境とその周囲8 石曽根民郎 各地だより としを・伯史・泥柳 【北海道だより=柳談あれこれ 長沢としを 東北だより=砂漠 田…