1994-10-01から1ヶ月間の記事一覧

十月

歳とって老いを磨くなど気張っような言葉になりやすいが、それでいて無性に寂しくなることがある。だんだん追いつめられてゆく過程で、なるほど果てが近いなと素人判断で悟った顔をする。 当然のように呆けが連れ立って訪れ、こんにちわとも言わないで居座る…

十月

老木を撫ぜ合う別れさても濃くもぎ立ての林檎茸があしからずあの世この世つなぐ報いの浮き沈み大往生の大は柝への思い入れ寝静まるなにくれとなく問いながら念押してやらずの雨の強くなるお澄ましのしばし怒りを抑え癖連れ添うたえにしどこかを痛がって

六一九号(平成六年10月号)

題字 斎藤昌三 表紙絵・カット 丸山太郎 やぶい贅言 小野真孝【眞孝】 川柳評明和八年万句合輪講(四十二) 【民俗雑話】地蔵と閻魔と道祖神 胡桃沢友男 誹風柳樽拾壱編略註(十四) 「明八」輪講・愚見 室山三柳 雑詠 大空 石曽根民郎選 山彦集 同人吟 課題…