1990-09-01から1ヶ月間の記事一覧

九月

毎年、鈴虫を孵化しつづけている友人から、いくつか頒けて貰った。偶々、ガラス張りの巣箱があった。湿った砂地に胡瓜と茄子をただ置くのではなく、楊枝を挿した方がよいと教えて下さった。 腹が減ると共食いしかねないから、たまに干した小魚を刻んでやると…

九月

硝煙の一歩手前の胴回り人質の寸時の喘ぎ思うだに手不足を嘆じるときの向こうずね巻き込もうとするひと声のうそ寒さ鳴く蟲と泣く虫の世に居合わせるお互いに遅れと気付く道を分けさよならは生きのたまゆらただ一度にらみ合い遠き谺のよい向きにとは知らず役…

五七〇号(平成二年9月号)

題字 斎藤昌三 表紙 顔と顔 石曽根隆実 信濃の狂歌(七十三)【四、飯田・伊那・諏訪地方(5)】 浅岡修一 川柳ドキュメント 走馬灯【”走馬灯”】に寄せて 浜本千寿 柳多留二十九篇輪講(四十二) 本誌主要記事摘録(八) 雑詠 大空 石曽根民郎選 山彦集 同…