1968-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月

▽どの提灯にも電灯が点いて、ずらりと屋上の四囲を飾つている。スカイビヤガーデンと銘打つて、夏の夜空を仰ぎながら渇を慰やす人たちを呼ぶのである。松本城に近いところにも、また繁華街のまんなかにも、それらしいビルが人恋しい顔つきをして黙つて立つて…

五月

なだらかな道はこころの隅に置く物情騒然と弱き身にくりかえししかはあれどめくるめく日を避けも得でひとの憂いがわかつて来て藤垂れ下がり決断を迫られ物欲しげなる眉よ緑濃し別れのにがさとは別に叱つてくれるものがない酒ひとり野の仏持ち運ばれた同じ貌…

三〇二号(昭和四十三年5月号)

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 柳誌四月号評【川柳は乱世のときである】 東野大八 堀豊次論・抵抗主義の破綻(2) 江端良三 課題「神馬」 山岸きよし選 雑詠 大空 石曽根民郎選 山彦集 同人 英訳川柳名句選研究(4) 柳多留初篇輪講(六三) 輪講の<大滝…