1959-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八月

▽いたつて気の小さい癖にときどき死ということを考える。深刻がるなと叱られそうだが、ひとり静かに酒をふくんで目を閉じながらふつと浮んでくる死ということのありようが、私の臆病なこゝろを突つつくのである。 ▽私は平静にゆつくり酒をひとりで飲むことが…

八月

たとえばなしにおちつきの色を匂わし 八月十五日いのちはくろきを厭うなり むかしむかし詩集の背革いためつけ むき出しの腕抵抗をぶらさげて 所を得時を得墓うたわせる 肌願わざる夜の安堵こそさびし 花に水やるやすらいを近付かせ 涙ぐむかしこさ淡い灯を宥…

二〇四号(昭和三十四年八月号)

表紙 葉鶏頭 武藤完一 同想川柳と小咄3 武藤禎夫 小高き山【−民郎作品を辿る−】 品川陣居 信濃への郷愁【−道祖神のこと−】 小谷方明 課題「長男」 二木千兵選 乗合舟 山岸実茶 雑詠 大空 石曽根民郎選 〈同人下条とほる氏追悼〉 下条氏を思う 窪田正寿 下条…