1976-07-01から1ヶ月間の記事一覧

七月

△一昨年の夏、うちの前の店「百趣」で、信濃山岳画協会展を開催中のとある日、浴衣がけで藁帽子を冠った人がのっしのっしと「石曽根いるか、呼んで来給え」と言いながら這入って来た。私が奥から出て行って、どなたかなといぶかりながら会って見ると、まぎれ…

七月

わがことに及ぶ黙して歩き出し 涙ぐむそのひたすらな瞬時とし なぜか気のゆるみにも似て矛をおさめ 呼び捨ての名と化す活字こわばらせ 小さくとも金にまつわる話して つぐないの仕方捉えて賑わし 捨てるもの吐き出させ 月がこっそり 暗躍の場を選ばない時の…

四〇〇号(昭和五十一年7月号)

四〇〇号特集 その一 題字・斎藤昌三 表紙・小樽海岸祝津 中村善策 (一水会) カット・丸山太郎 珍題名噺本四種【かわっただいをつけたこばなし】 武藤禎夫 明治の時事吟 浜田義一郎 川柳相撲風俗史 小島貞二 吉原への通い路 磯辺鎮雄 道祖神(二)【信濃雑…