七月

   わがことに及ぶ黙して歩き出し


   涙ぐむそのひたすらな瞬時とし


   なぜか気のゆるみにも似て矛をおさめ


   呼び捨ての名と化す活字こわばらせ


   小さくとも金にまつわる話して


   つぐないの仕方捉えて賑わし


   捨てるもの吐き出させ 月がこっそり


   暗躍の場を選ばない時のくずれ


   やわらかく枕は人を置いていた


   それぞれに信州の夏 応えさせ