1967-10-01から1ヶ月間の記事一覧

十月

▽土蔵の入口に犬の小屋がある。南向きで、そこに鎖につながれた愛犬がうずくまつている。大抵、くるりと自分のからだを巻くようにしてまるく抱えた恰好である。ときどき出て来て、身ぶるいをする。払いのけたいものがあるせいだろうし、退屈をまぎらわす気分…

十月

朝の鐘寝足らぬ夢をまた拾う残党の焚火ひとりは女を想い蒼い湖死の美しさ少女は唾る英雄は死す大いなる炎たり血の気のない尻尾でじやらし飯にありつき妻の名を忘れてはいずしかと書く過去拭いてきらめくものを求めずにままならぬ思い落葉の音にこそみちくさ…

二九五号(昭和四十二年10月号)

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 栄養失調の柳界【柳誌九月号を読んで】 東野大八 英訳川柳名句選研究1【輪講掲載に当つて】 阿部佐保蘭 西島○丸川柳年表(十一)【柳誌・柳書】 奥津啓一朗 課題「意地」 三枝昌人選