1994-09-01から1ヶ月間の記事一覧

九月

暑い日が続いて蝉のミンミンと鳴く声はうとましかった。灼きつくような日中を避けて夕方あたり、忘れかけた声を立てた。やれやれという感じだった。 夜になると灯を目掛けてどこからともなく蛾が飛んで来た。うるさかった。幼い頃は、夜になってから郊外の蛍…

九月

ベレー帽救援戦士らしくらしくひと群れの秋告げゆくかリュックサックまぎれなくやつと届いた老いの痛み鷹揚にいつか老醜連れ添ってかりそめに病めば小菊もいと細し憮然たり銃口更にまつたなくテレビでもゆりかご代わり眠り近し練りにくき案でぽっかり穴騒ぐ…

六一八号(平成六年9月号)

題字 斎藤昌三 表紙絵・カット 丸山太郎 尾形光琳の墓 室山三柳 川柳評明和八年万句合輪講(四十一) 誹風柳樽拾壱編略註(十三) 雑詠 大空 石曽根民郎選 山彦集 同人吟 課題「味」 小岩井節子選 「崩れる」 寺沢なおみ選 八月句会【宿題「大きい」公二選・…