1974-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月

△五月の空に鯉幟が泳いでいる。蒼い空の色に融け込むように、みずからをまかせておおらかだ。伜夫婦は初め奥の空き地に立てたがだんだん上の方に持ちあげて、とうとう非常階段の一番上の手すりにくくりつけた。 △たしかにここなら広々と、あたりが開放的で自…

五月

気をとりなおしあったかい味噌汁だ 善は急げと誰に聞くひとりなり 廻れ右して見つかった小さい義理 もろく敗れたその顔がまとも過ぎ 細い道抜けて自分を見付けたく ほろ酔いのかなしい道かまたさがし 道草のなぜかむなしい骨が鳴る 筋を通してやっこらさ眼鏡…

三七四号(昭和四十九年5月号)

題字・斎藤昌三 川柳年鑑一九七四年版概評 石原青竜刀 奇應丸 小谷方明 雑詠 大空 石曽根民郎選 柳多留二篇輪講(三五) 二篇異見 八木敬一