1980-02-01から1ヶ月間の記事一覧

二月

▽仕事がすんで居間に戻ってくるとき、十姉妹を置いてある部屋をのぞく。もう薄暗くなった時刻を知っていて、彼女らは巣籠のなかに六羽、至極寄り添うかたまりとなって仲がよい。私はお祝儀のお返しにいただいた紅白の風呂敷二枚でそっとかぶせてやる。寒さか…

二月

どろどろをかぶる機もなく老いの果て 濡れ帰るたのしとせしに身をすくめ あとやさき悟らせてやる黙ってる 替え唄の世におかしくもなくまみれ 愛の鞭覚え戯れ画の重くなる まっすぐな路に乾いて思い置く 狂う凧静かな凧のいずれとも 冬の雨何かが待たれ消して…

四四三号(昭和五十五年2月号)

題字・斎藤昌三 表紙・いしぞねまさかつ カット・丸山太郎田内創造氏 二木千兵氏追悼 田内豆腐店について 本多香木 創造さんの思い出 矢幡水鏡 田内さんの思い出 岩井汗青 親切 所典夫 創造さんを憶う 竹内伊佐緒 出逢い 寺沢正光 父親のように 山岸きよし …