1955-01-01から1年間の記事一覧

随時更新します

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七月

▽相変らず諷刺に富んだコントが新聞雑誌にちよつぴり辛子の利いたところを示してヤニ下つて居るが、戦争後解放された民衆の声なき声が凛々しくも強められたひとつのかたである。それは批判であり反撥でもあるがその意味で私たちの川柳とよく似て居るところが…

七月

売春法通りやんせまた邪魔をする 歓楽の灯はニヤニヤとよみがへり トニー谷愛児さらはる 髭剃つた真顔ひたすら子を案じ 四巨頭会談 冷戦の肚さぐり合ふ恙なし ミスユニヴアース奸を競ふ 美しいうぬぼれきめる鼻眼鏡 何々白書発表しきり ジリ貧の底なし沼に浮…

一五九号(昭和三十年七月號)

表紙 夕暮 丸山荷風庵 口絵 由布院金鱗湖 武藤完一 写真 満願寺のお経橋 穂苅三寿雄近世庶民法資料としての川柳 春原源太郎 (1) 上条嘉門次――しなの畸人伝6 小山潤一郎 (5) 華山の一面 樋口秀雄 (6) 柳誌月評 橘祐 (8) 各地だより 伊太古・葉光…

六月

▽今年は川柳に関する出版物が気前よくどしどし世にあらはれるやうな気がする。岸本水府さんの人間手帖と放送川柳、村田周魚さんの人間雑話、香川県大島青松園に療養するひさご川柳会の句集ひさご、金沢市の森下冬青さんの句集うみなり、近くは麻生葭乃さんの…

六月

胸板によごれし想ひ酒を流す 胸板の汗は豪語を生んでゆく 胸板にたほるゝ女かるからず 胸板の描く祈りとも妬みとも 胸板にたかぶれる肌けものめく 胸板の過去にすがりし林檎ひとつ 胸板に枕もの憂き齢とする 胸板をみがく男が瞳に迫り 胸板に毛はなし今日の…

一五八号(昭和三十年六月號)

表紙 夕刊 丸山荷風庵 口絵 苦力の家 武藤完一 写真 瘡守稲荷の鳥居 穂苅三寿雄文学のためのジヤンル論再稿(上) 伊良子擁一 (1) 幡隆上人――しなの畸人伝5 小山潤一郎 (6) 柳誌月評 橘祐 (8) わが川柳史2 石原青龍刀 (12) 品名ノート4 長谷…

五月

▽長野県では毎年一回川柳大会を開催する。時期は五月中旬の日曜日を選んで居る。そして会場は毎年交替である。長野、松本、小諸、上田、須坂を中心とするグループが順繰りに主催側となる。今年はその第九回、松本で受持つた。来年は小諸。 ▽出席者からは打合…

五月

近什 ながらへば恥あるそのことにもたれ としよりのラヂオにまぎれ寝る安堵 ひとりのがれ殻にしみつく夕焼だ 足をぐんと伸ばそ苦労が消えるとよ 死のこはさ撫ぜてすれずれねむりゆく みんな骨になるのさそれは蔭の声 こゝに生きる朝の寝覺めの真新しさ きれ…

一五七号(昭和三十年五月號)

表紙 初夏の乗鞍岳 丸山荷風庵 口絵 松本郊外松島橋 中村善策 写真 道しるべ 穂苅三寿雄 第九回長野県川柳大会風景第九回長野県川柳大会作品 (1) 大会余滴 (7) 川柳の漢詩変粧に就て 杉浦非水 (9) 柳誌月評 橘祐 (12) 独身作家なきや 安川久留…

四月

▽昭和三十年度東大文科第一次試験問題に川柳に関するものが出されたとさうだ。入学試験や検定試験の問題に川柳が採り上げられたことは嘗て一度もなかつたといふのではない。そしてそれはいつでも古川柳であつた。といふ意味は古川柳が学問の対象になつてゐる…

四月

近什 人情馬鹿草臥れ損は石の上 石の上ぢぢばば分けて握り飯 ものの怪に振り向きを耐へ石の上 石の上貰ふたばこの粉が散る 死こそよけれ赤い月ほし石の上 たましひのぬけがら拾ふ石の上 石の上淡き別れの思ひとや 道ならぬおそれをよしと石の上 石の上敗れし…

一五六号(昭和三十年四月號)

表紙 早春 丸山荷風庵 口絵 津久見市日代海岸 武藤完一 写真【・文】 水車小屋 穂苅三寿雄狸料理考 前田雀郎 (1) しなのと相撲 小島貞二 (6) わが川柳史(1) 石原青龍刀 (8) 寺田五三子―しなの畸人伝(4) 小山潤一郎 各地だより としを・龍之介…

三月

▽長野県内の月刊の川柳雑誌は小諸市の「あさま」と松本市の「しなの」そのほかに長野市の「美すゞ」「競吟川柳」がある。「あさま」は県内を対象にしてゐるが、全国的に見ても発行の早い方の確実な僚誌で、まづその前月の二十日頃には颯爽と雄姿を現はす。見…

三月

近什 老い父の醉へば仆れて記憶の唄 八十の確執或る日ひとりぼち 孫は數へず柿栗の樹を夢に 死にやすむ母の墓あり此処の風 母は死に救はれ時を守るなり 弟の忌に馴れいのちうちふるへ 生きてゐたらと弟を皆と並べ 四十四のわびしき声が自分に来る たよるべき…

一五五号(昭和三十年三月號)

表紙 子熊のころちやん 丸山荷風庵 口絵 鶯と鶴 武藤完一 写真【・文】 駒んつぶれ 穂苅三寿雄柄井八右衛門という人 比企修 (1) 柳多留作家群に於ける万鼬(3) 阿達義雄 (4) 【(四)初瀬連重鎮の悲運】 丸山卯年彦―しなの畸人伝(3) 小山潤一郎 …

一月句会・宿題「石曾根民郎」岩井汗青選

民郎の或る日の姿仙人に見え 栄治 世のあらを刺し民郎は印刷機 五仙 エロ談義民郎生真面目に放ち 雅登 飄々と世俗へ伍して俗でなく 幸吉 奇書珍画民郎眼鏡をずりあげる 良三 民郎が句に酔ふ春の日向ぼこ 栄一 川柳のよさ民郎の名で展け 静園 民郎の頭毛ほど…

二月

△私は元來音痴である。歌も唄もよく覚えぬ。声もよくない。高くなるところへ來てぐうつと低くセーブしてかゝらぬと息がつまる。決して傾聴に値するものではない。しかし友達は私ののどをふるはしたくてしきりに所望することがある。駄目だとわかりきつてゐて…

二月

近什 けだものにざんぶり来いと水がいつぱい 仕事あるけだもの明日が来るほどに けだもののわが体臭にこそ睡る 弱き瞳もてけだものは或る日を残し けだもののひたすら渇す坂を降り まろびねを蹴られけだもの行くとする けだものの親子のこのこ怖がらせ 愛す…

一五四号(昭和三十年二月號)

表紙 スケート 丸山荷風庵 口絵 古木打ち さとう・よねじろう 大分県舞鶴橋 武藤完一 寫眞【・文】 行人様 穂苅三寿雄信州の言葉 田中磐 (1) 雑魚寢といふ事 田中緑紅 (4) 柳誌月評 橘祐 (6) 北城庵香風―しなの畸人傳(2)― 小山潤一郎 (11) …

一月

▽馬の顔から羊の顔にうつつたといふだけで、昭和丗年を柔和の象徴ときめこむにはちとあさはかかも知れない。この世の中が、そしてまた身辺がどのやうに演出されるのか、生きてゆくかぎり避けられない。そこに生きの緒のうまみがある。 ▽お互ひご機嫌よく新し…

一月

近什 対決の顔ゆるぎなくラツシユアワー 鳩の町働き蜂を見て抜けて ハモニカ横丁あすを知る身で相許し 吉原のうらの夜道もうろ覚え 駒形泥鰌雀色時しのび寄り うらぶれのみやこの星を當てもせで 正楽の鋏のわざの粋が散り デパートの温度やはやは気負ひたち …

一五三号(昭和三十年一月號)

表紙 雪 丸山荷風庵 口絵 羽根と凧 さとう・よねじろう【句・白取秀弘】 寫眞【・文】 放光寺山 穂苅三寿雄拳骨考 中村幸彦 (1) 【附・かけつけ三盃】 イボ太郎 木村辰彦【画も】 (5) 木食上人・しなの畸人傳(1) 小山潤一郎 (6) 地名ノート(3…