五月

      近什

   ながらへば恥あるそのことにもたれ


   としよりのラヂオにまぎれ寝る安堵


   ひとりのがれ殻にしみつく夕焼だ


   足をぐんと伸ばそ苦労が消えるとよ


   死のこはさ撫ぜてすれずれねむりゆく


   みんな骨になるのさそれは蔭の声


   こゝに生きる朝の寝覺めの真新しさ


   きれぎれの夢つなぐ暇ありとして


   造花まで汚れものうき齢をのぞかせ


   見事な敗北花火が大きくそれ大きく


   カラー固し猪口才の智恵吐かせ置く


   幸福論枕のさやを洗つたね