1965-03-01から1ヶ月間の記事一覧

三月

▽わが先輩は農閑期を利用して江戸へ出稼ぎに赴いた。一団となつてガヤガヤ無駄口をたたきながら賑やかだつた。雪深い郷国をあとにして、異郷のいく月かが先輩らの日頃の望みであつた。それほど季節的にきびしく、また貧しかつたのであろう。 ▽薪割、飯焚、下…

三月

短き闘いへ梟も目覚めて来て 雪が思い出したように男らを見くびる 愛の傷あとわさび顔を利かし 人はさだめを持ち道のあかるさ 樹々の語らいよ未来はこつちにもある ふれたがる噂遠くに雪を降らし 許すことの大いさがいま酔わしめて 長い旅こころのよごれある…

二六五号(昭和四十年3月号)

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 軍談業名面帳【−舌耕文芸史資料断片 六−】 中村幸彦 組連句集と其の句(上) 阿達義雄 古川柳関係記事掲載目録(七) 同人雑筆 向う山見れば 小松耕吉 雑詠 大空 石曽根民郎選 星華集 田内創造 山彦集 同人 句評「道」 汗青・…