1965-03-01 三月 月々の句 短き闘いへ梟も目覚めて来て 雪が思い出したように男らを見くびる 愛の傷あとわさび顔を利かし 人はさだめを持ち道のあかるさ 樹々の語らいよ未来はこつちにもある ふれたがる噂遠くに雪を降らし 許すことの大いさがいま酔わしめて 長い旅こころのよごれあると言わず 気弱さがしつとり春の雪に逢い 早春に歩く善意を拾いながら