2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

 秋刀魚

桂枝太郎は落語家、新作ものを手がけました。十八番は「磯のあわび」、地方巡演中をとらえ川柳大会にはしばしば出席、全国の川柳界に広く顔を売っていました。川柳も作りますが、二十六字詩(情歌、街歌ともいう)が得意でした。「機関誌『やよい』を発行す…

読書シーズン

江戸時代に出版された十返舎一九の書いた『膝栗毛』という本は、弥次郎兵衛、喜多八の二人が、行くさきざきで繰りひろげる滑稽道中記。東海道中だけですませる予定でしたが、あまりの評判で、金毘羅参詣、宮島参詣、木曽街道、善光寺道中、上州草津温泉道中…

お医者さま

明治四十年に松本町から松本市になりましたが、これを機会に松本医師会は東筑摩郡医師会から独立しました。その初代会長は新家【にいのめ】実次郎といって大柳町(日銀の東向かい)の先生でした。背筋をピンと張って愛用の杖をついて往診する先生を町でよく…

いが栗

えぞ豆本、九州豆本、青森豆本とかいろいろの豆本があります。版画、エッチング、孔版、拓摺りなど、あらゆる巧緻を極めた印刷技術が、瀟洒な製本に仕立てられ、愛書家にとって珍重すべき限定本。にわかに入手出来ない状況であるだけに、貴重な、そしてまこ…

小林清親

父があつめた、はりませの二枚折り屏風には、巌谷一六の書や諸家の絵にまじって、小林清親の風刺画が異彩を放っています。兜、陣羽織に身を固め、大槍を持った加藤清正が、張子の虎を見てびっくり仰天の図で、私は小さいときからこの画に馴染んできました。 …

鉄道記念日

松本駅ビル・セルヴァンは松本市民待望のうちに、昭和五十二年七月二十二日開業され、松本の玄関にふさわしい威容を誇っています。 明治三十五年に篠ノ井線西条―松本間が開通し、松本駅は六月十五日に営業を開始しました。明治三十九年に中央東線、明治四十…

そろばん

散歩はユックリ、ユックリよりも、少し足早の方がよいと聞いて、松本城の北濠を通り、松本神社をお詣りしてから、境内の「堀内桂次郎先生碑」にふと目をとめました。松本市大柳町生まれ、郁文学会をつくり私学振興に尽くした人で、薫陶を受けた教え子たちが…

体育の日

運動会のシーズン。保育園や幼稚園、学校、職場、町内でもさかんです。このごろは老人の運動会もやるようになってきました。灰皿を頭にのせて落とさないように走る「はげかくし競争」は、ユーモアにあふれています。 昔、天守閣広場を運動場としていた松本中…