1971-09-01から1ヶ月間の記事一覧

九月

▽三十分経つと小刻みに時を打つ時計がせっせと励んでいる。こちらも張り切らなければならないわけで、ふっと目覚める頃合いに起きて、時計の針の指し向きを見ると、自分の思った通りの時刻なので、齢を取ったものだなとひとりうなずき、父が誰よりも早く目覚…

九月

老いの夢のたじろぐ壁がやわらかし 身づくろいして隙だらけ近づかせ むかしの道に月の歩を見つけ出す 黙ってついてゆく外ならぬ人 はなやかに消える花火と連れ添って もの欲しげなる明るさが取り得なり 風当たり遠く見守る顔を覚え わが影を拾うせつなき息使…

三四二号(昭和四十六年9月号)

題字・斎藤昌三 顎庵柳話(十二) 田畑伯史 続・具里院巷談(八)【恐怖感・知識慾(3)】 岩本具里院 川柳評万句合に現われたる 三井呉服店の研究補遺(一) 鈴木重雅 雑詠 大空 石曽根民郎選 柳多留二篇輪講(九) 句会報