1956-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八月

▽さる人がやつて来て、旅館を開業するから旅館の名付親になつて貰ひたい、それから尚さしでがましいが、部屋の仕切りに掛けるのれんの図柄を考へて下さらぬかと慇懃に申込まれた。私にはちと重荷だし、かへつてぶちこはしになるとご迷惑だからと頭を下げると…

八月

近什 海女焚火ここに栖みつく肌がある ふんどしの塩からさ海女知り給へ 乳房ふたつ具へて海女は稼ぎ佇ち 体臭のうごめきに似て海女は病み 口笛は哀しとも海女濡れゆくよ 海女羞恥腰のくびりの見事さに うらぶれの灯と見ずに海女よこたはり 秋を知る海女の目…

一七二号

表紙 電柱のある風景 丸山太郎 口絵 百日草 武藤完一 写真 ぼんぼん 穂苅三寿雄 公孫樹―銀杏―鴨脚 比企蝉人 雅登の文体カルテ 江端良三 犬・雑草・江戸小ばなし 正岡容 各地だより 冬児・伯史・泥柳 【北海道だより=主幹交替 佐藤冬児 東北だより=貴族松島…