1956-08-25 八月 月々の句 近什 海女焚火ここに栖みつく肌がある ふんどしの塩からさ海女知り給へ 乳房ふたつ具へて海女は稼ぎ佇ち 体臭のうごめきに似て海女は病み 口笛は哀しとも海女濡れゆくよ 海女羞恥腰のくびりの見事さに うらぶれの灯と見ずに海女よこたはり 秋を知る海女の目方をかろんぜず 墓も夕暮海女の背は親譲り 海女笑ふ果ては旅の身強ひるなり