1973-06-01から1ヶ月間の記事一覧

六月

◆家がたくさんあるわけなのに、なかなかいいのが見付からぬのが世の常だ。もっと自由だった頃、家の移転のかずを誇るようによくうつり変えてゆくひとがあった。いまはそうもならぬ。 ◆だが夜中になるにつれて酔客の騒々しい声に安眠が出来ないとなると、どう…

六月

殺伐をかいくぐりほんとうの顔 元をただせば隻腕に流れ足らぬ血 人知れず眼鏡の老いに尽きている みな笑い暮らしの底をかいま見し 蝉短きをうたいわれよ生くべしと 下手に振る舞うまっすぐな顔に逢い どこ押してみずからの蓋さがすのか 耳痛がってのがれ得ぬ…

三六三号(昭和四十八年6月号)

題字・斎藤昌三 頑固者の哲学 岩本具里院 ―付、柳多留初篇輪講上梓に寄せて オオサクラソウ物語 横内斎 雑詠 大空 石曽根民郎選 柳多留二篇輪講(二七)