1957-11-01から1ヶ月間の記事一覧

十一月

▽私は背広を着てネクタイを締めるときは殆どない。ジヤンパーか、夏ならワイシヤツひとつである。靴もめつたに履かないから、底もさう痛んではをらぬけれど、実に旧式のかたであるらしい。東京にゐる甥たちが私の靴を見て「叔父さんの靴は僕たちの生れた頃だ…

十一月

一枚の構図鴉を動かせず 月の兔は見てる鴉居睡り ほろ〱と鴉ゆめみし濡羽色 寺の鐘が救ふ鴉は一点に 壊れたシルクハツトの鴉物臭さ 尾羽枯れ旅は鴉に大きな穹 いじわる婆さんだつた鴉廻り道 鴉は音痴田ンぼにあしが凍てゝ来た 勲章ぶらさげて夜目の鴉向き合ひ…

一八六号

表紙 山の宿 丸山太郎 口絵 落穂拾い 武藤完一柳誌月評 源一白 象 比企蝉人 俳諧の高点句集ということ 綿谷雪 あの頃の私【同人雑筆】 矢幡水鏡 雑詠 大空 石曽根民郎選 合評「身」 小宮山雅登・岩井汗青・三枝昌人 山彦集 同人吟 句会報