1957-11-25 十一月 月々の句 一枚の構図鴉を動かせず 月の兔は見てる鴉居睡り ほろ〱と鴉ゆめみし濡羽色 寺の鐘が救ふ鴉は一点に 壊れたシルクハツトの鴉物臭さ 尾羽枯れ旅は鴉に大きな穹 いじわる婆さんだつた鴉廻り道 鴉は音痴田ンぼにあしが凍てゝ来た 勲章ぶらさげて夜目の鴉向き合ひ けむる雨鴉は羽を洗ふのみ