1968-06-01から1ヶ月間の記事一覧

六月

▽戦争中の頃、民謡というものがしりぞけられ、買い求めてあつたいくつかのレコードをときどき土蔵のなかで、古ぼけたビクターの犬の画の入つた蓄音器のハンドルを廻しながら掛けて聴いた想い出がある。何かしら遠い幻のようなまたなつかしい自分だけの時間で…

六月

蚊帳の色あせその中に自分を置く飛び立つ想い地に浮く脚のその細さいつか行き着く道なるぞ踏まえし土向日葵の黄の限りの歌を聞くか黄の鮮烈に向日葵のいのち集り黄が倒れ合い向日葵の全き死友を弔う掌のたしかなるまこと求むべき道親しかれわれに長くやがて…

三〇三号(昭和四十三年6月号)

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 川柳時評「明治百年と川柳」 石原青龍刀 課題「米」 小松耕吉選 柳誌五月号評【かぜひき柳だん】 東野大八 英訳川柳名句選研究(5) 不退翁のシヨート詩話【ほんとうの遊びの精神への小考察】 谷太刀良 雑詠 大空 石曽根民郎…