1997-10-01から1ヶ月間の記事一覧

十月

とても早起きなんかと自慢するほどの時間に目が覚めず顔を洗ってから常の如く、ほど近い何やら祀る神社に儀礼式に則ってうやうやしく礼拝する。 由なきこと、悪しき事を打ち忘れたい無心に合掌の幾日かが続くのだ。 晴雨を嫌わず、嵐気に怖れぬ行動は常とは…

十月

父よりも母よりも歳重ねつつうつせみにあずけてひとり碑を洗う老い二人山が抱き時も大きく境涯の砦きびしく温かや両面の愛が具わるかの珠玉鮮やかに弔う歌を聴く今ぞ殉難に川の名忘れぬしのび泣き眠らばや効かぬ薬のその奥に愛憎を越えて谷間の風と化し悠々…

六五五号(平成九年10月号)

題字 斎藤昌三 表紙 蔵書票・カット 丸山太郎 雑詠「大空」 石曽根民郎選 山彦集 同人吟 大空雑感 吉野圭介 川柳・江戸【の】女と煙草 石川一郎 十二篇はいふうやなぎ【き】たる略註(二十八) 川柳評明和八年万句合輪講(七十八) 【民俗雑記】恵比須講と誓…