1997-10-01 十月 月々の句 父よりも母よりも歳重ねつつうつせみにあずけてひとり碑を洗う老い二人山が抱き時も大きく境涯の砦きびしく温かや両面の愛が具わるかの珠玉鮮やかに弔う歌を聴く今ぞ殉難に川の名忘れぬしのび泣き眠らばや効かぬ薬のその奥に愛憎を越えて谷間の風と化し悠々の河の歴史が練り直し