1974-06-01から1ヶ月間の記事一覧

六月

△いつも仕舞う時間になるので、シャッターを締めようと思ったが、二人の客が奥の方の「道草」から立ち去ろうとしないで、腰掛に坐って所在なくいるという。気を利かせて閉店のしおに乗ってくれそうなものだと、こっちは考えてみる。時間が時間だから、そこは…

六月

無駄だった道の広さに抱かれたり 気がついたときのおかしさ舌に甘く 果てしない静けさ向こうからこたえ 求むべき膝のかたさをさびしとす 何故かわびしく道草に咲いていた あわてないという片っぽのぬくもりよ 来るものが来たらちっぽけな虫のいのち 身のほど…

三七五号(昭和四十九年6月号)

題字・斎藤昌三 第二十八回長野県川柳大会 雑詠 大空 石曽根民郎選 柳多留二編輪講(三六)