六月

   無駄だった道の広さに抱かれたり


   気がついたときのおかしさ舌に甘く


   果てしない静けさ向こうからこたえ


   求むべき膝のかたさをさびしとす


   何故かわびしく道草に咲いていた


   あわてないという片っぽのぬくもりよ


   来るものが来たらちっぽけな虫のいのち


   身のほどをわきまえながら涙ぐみ


   軽んじていない律儀のむかしめき


   はしくれにこだわるまこと読んでおく