1998-04-01から1ヶ月間の記事一覧

四月

話の中で不意に「あなたはいくつになりますか」と問われるときがある。歳を訊ねるのを嫌なひともあるが、無論そう聞く人は私より若い。挨拶代わりにごく軽くあしらうようだ。 人に聞く積もりなら自分の方からさきにあかすのが礼儀だと向きになる。「いくつ位…

四月

償いのいくつ数えてただに寝る 着る脱ぐの心覚えのひたすらに 死に遅れさてごもつとも無精髭 共有の愛の庁つぽたかが知れ ふるさとをめぐる愛憎のゆくえ 愛憎をもたせ故郷への溜め息 恬としてふるさと遠くうしろ向き 言葉遣いに一篇の情を尽くし 木訥に神馬…

六六一号(平成十年4月号)

題字 斎藤昌三 表紙 茶掛 川上三太郎 民郎蔵 カット 丸山太郎 おくつきどころ 里嘉矩 雑詠「大空」 石曽根民郎 選 山彦集 同人吟 大空雑感 吉野圭介 川柳評明和八年万句合輪講(八十四) 誹風柳多留十三篇略解(五) 津軽の前句附点者−落合九三子−(一) 諏…