1955-01-25 一月 月々の句 近什 対決の顔ゆるぎなくラツシユアワー 鳩の町働き蜂を見て抜けて ハモニカ横丁あすを知る身で相許し 吉原のうらの夜道もうろ覚え 駒形泥鰌雀色時しのび寄り うらぶれのみやこの星を當てもせで 正楽の鋏のわざの粋が散り デパートの温度やはやは気負ひたち あさくさのすしを喰らつて人の屑 習性にかくれ都会の今日の飯 騒音に知識の頂点を磨き 考へる虫のよそほひ流したり