1955-02-25 二月 月々の句 近什 けだものにざんぶり来いと水がいつぱい 仕事あるけだもの明日が来るほどに けだもののわが体臭にこそ睡る 弱き瞳もてけだものは或る日を残し けだもののひたすら渇す坂を降り まろびねを蹴られけだもの行くとする けだものの親子のこのこ怖がらせ 愛すべきけだもの赤い舌が出た 老いて遠吠けだもののひとつの安堵 死ににぬけゆくけだものよ河を遡り