1955-06-25 六月 月々の句 胸板によごれし想ひ酒を流す 胸板の汗は豪語を生んでゆく 胸板にたほるゝ女かるからず 胸板の描く祈りとも妬みとも 胸板にたかぶれる肌けものめく 胸板の過去にすがりし林檎ひとつ 胸板に枕もの憂き齢とする 胸板をみがく男が瞳に迫り 胸板に毛はなし今日の無事を寝る 胸板のうすきに人は燃えあがり 胸板に降れぎんの雨とほき日へ 胸板の厚くもならずヘイマンボ