1967-10-01 十月 月々の句 朝の鐘寝足らぬ夢をまた拾う残党の焚火ひとりは女を想い蒼い湖死の美しさ少女は唾る英雄は死す大いなる炎たり血の気のない尻尾でじやらし飯にありつき妻の名を忘れてはいずしかと書く過去拭いてきらめくものを求めずにままならぬ思い落葉の音にこそみちくさを食うこの石の陽のぬくさこころ凝めて菊たち山の雪を呼ぶよ