八月

   勲章をぶら下げ早く腰掛けたし


   一椀の飯に祈りをかぶせおく


   運命に逃げぬ群像長じたり


   秋果それ〲に熟む女心が待たれ


   政治の貧しさに揉むトツプ記事


   欲心に目覚めて秋の色を溶かし


   求め合うよごれ拭くかに患う老い


   物の怪に敢えて抱かれて痛きとが


   いち早き酔いの姿をおもたげに


   無精髭夏の終りの花咲かす