1961-07-25 七月 月々の句 わが団扇対立の底知つていて 灸を据える古きまことに乱れざる 夢を燃えあがらせ逆臣の正座 燃えることある老醜を或いは憎み 遠く親切の瞳をさがし寝入るなり 大物の分厚い掌が代償をとらえ 白い蛾に罪の深さを夜が押す かきむしる記憶ありかの闇に負けじ 酒をふくむ人の憂いとやがて遠く わが犬のけがれにあらず鎖解く