七月

   わが団扇対立の底知つていて


   灸を据える古きまことに乱れざる


   夢を燃えあがらせ逆臣の正座


   燃えることある老醜を或いは憎み


   遠く親切の瞳をさがし寝入るなり


   大物の分厚い掌が代償をとらえ


   白い蛾に罪の深さを夜が押す


   かきむしる記憶ありかの闇に負けじ


   酒をふくむ人の憂いとやがて遠く


   わが犬のけがれにあらず鎖解く