五月

ほんとうの顔をさらしにゆく極意

なぐさめが欲しく頑丈な人に会う

仲よくて鶴と亀との譲り合い

いのち抱く小さき湖のひとり言

ぼた餅が笑っているぞまたも留守

山国にトロの振る舞いいさぎよし

あやにくや問い足らずして寝入りゆく

いつかある潰えのうたを耳底に

たんぽぽよ ほけては絮の身を尽くし

老鶯の身振り羽振りのつましさは