1963-08-01 八月 月々の句 みにくい音がかすめるこの小さな善意 よどみなく偽りの舌長く赤かれ くずれくるからだ静かに鎖となる 下着ひそかに払いのけたい記憶 背景を整え野望燃えてくる 自分が可愛くてよごれあれど目をつぶる 軽き疲れ悔いに似てこの齢を思え よごれた影をふり払い若さ走らせ 酔えば流れる生きの間の奢りあれ 何をかぞえようただに忘れ横たわり