1962-10-25 十・十一月 月々の句 牛乳をあたためる枯葉も素直だよ 思い出のきびしさがなお腹這わせ たくみな演技に紙幣すらも目を見張り きりきり舞いして男の肌を済ます 木枯の歌だが負けてもならず 人の死のやがて自分に戻つてくる 女が読みとつてくれる安易な膚で 慰めが下手盃がころんで来た 人のまことに馴れ過ぎ星をちりばめ 聞いた風な顔で銭の腹に触れてる