六月

▽久し振りの堀豊次さん、東京で会ったことのある森中恵美子さんお手紙は丁寧な山村祐さん、句集で風貌だけを知る前田芙巳子さん雑誌に生彩を凝らす泉淳夫さん、精鋭を揃え句会の悠揚のおもむきを伝えてくれる北川絢一朗さん、こっそりと来てひっそりと曽遊の句を寄せてくれる墨作二郎さん、傾聴の機に恵まれぬが熱弁自他共に許す寺尾俊平さん、松本市出身の山岸竜清さん、ほかに荒木秋栄さんの賑やかな寄せ書きをいただいた。第五回津山川柳大会からで寸言もつく。
▽美作には嘗て行ったことのある記憶を持ち、なつかしい便りでさぞかし盛大だったろう。ふと定金冬二さんの顔も思い浮かべた。
▽私はこの六月五日午前十時三十分という大会の開会時間に合わせて、うちでは見られない知人宅に、TBSテレビ、ザビッグデイ「悪戦苦闘・小学校元年」の放映にかしこまっていた。そこからは孫の隆実の姿が、松本開智小学校に入学して、旧開智学校の沿革にからめて登場する。
▽開智小学校を三代通学した祖父父、孫のテーマで、私のところに見込みをつけていたのだが、生憎私がひとり田町小学校卒業で該当せず、他にも物色したらしいが取材期限が迫っていたこともあり断念したのか、振り出しに戻って私の孫だけに決まった。
岩波映画で三月中旬に打ち合わせにお出でになり、いろいろ聞き取りあって、四月入学日から一週間ほど取材にスタッフが見えた。
▽もともと私ごとだから東京の姉妹と義弟だけにこのことを伝え、それも二日前の三日になってやっとわかった。
▽わざわざでなく、ほかのことで何となくお電話で脇屋川柳さんと石川一郎さんには時間があったらと序でながら申し上げた。
▽家では直接見られないことを話したので、当日の放映がわからにのをご配慮して下さって、石川さんは最初から終りまでつぶさに情況をお手紙で寄せていたゞ
き、脇屋さんは急所々々のよいところをスナップにして、フィルムをたくさん送って下さった。思わぬお手数をかけた次第で、友達の有り難みをしみじみ感じとった。