七月

   いのちにも平均点ある足踏みす


   必要とあらば一枚の刃のこぼれ


   逃げるとこがある短かいせりふ


   絵になってしばらく人を罵らず


   揃った指のひとつの道化役者


   ありていに昔戻せぬ運のつき


   願ってもない話して卵割る


   貰い泣きながら届かぬ愛の鞭


   知った道なれど占われ小人たち


   一句得てかりそめならぬ夢持つや