1983-08-25 八月 月々の句 旅すすめられ膝元の山すがた 誰にとも聞かすほどなく弱まり来 恥多き身ひとつ時を惜しまねば 思い知る朝の目覚めのうす明かり 払えずに群がる虫がもついのち べっとりと初戦明暗高い窓 なぐさめの言葉不足のすれ違い 終戦の痛みの蝉をまた鳴かす 選ぶほかなき道いつか描かしめ 抜け駆けの台風便の律儀めく