四月

   そそのかす質問憎くあぶり出し


   一生を誰にも呉れぬ玉手箱


   訴える声捉えなお信ずる世


   よそながら春のことぶれ身の不運


   お粗末をさらすに若さとは違い


   うしろから老いの昂ぶり合わせおく


   じじむさくつくろう振りをちと利かせ


   引き幕の足音聞かす浮き沈み


   論評に遠く選ぶ民また叱り


   つつましくやがて媚びともなる射手座