十一月

   熱い目で見られたくない相手たち


   選良の名に耐えつづけぞうろぞろ


   国挙げて少しは近き理想像


   四浪のオジンにつなぐ応援歌


     千曲川に鮭四年振りに戻る
   ひたすらに母なる川として迎え


   老疾のいずれ来るべき覚えとか


   呼びにやるまでの時の間違い飾り


   健やかな老いの果てなるもたれ合い


   老獪を遠くで見やる貧乏ゆすり