1999-01-01から1年間の記事一覧

二月

前号から続く。 「発句は季語の使い方を大事にしますが、わたしは季語にこだわらず、人情や世情を軽妙に詠(うたって)はどうかと考えているのです」 「後学のために……」「二つご披露願いませんか」 「さよう……こんなのはいかがですかな 爺が浮くほど女の裸…

二月

あやうさと泥まみれで消えぬ炎 学ぶ身のさくらの埃さて難儀 あたたまるものなり齢をきざみつつ 貢献のうえに勝ど関まで告げず 人脈の通りすがった貌をぶつ いじらしき時の教えのまた一つ 虚々実々真の願いを被りながら 成年率かなった夢よ覚めぬまま 特報ネ…

六七一号(平成十一年2月号)

題字 斎藤昌三 カット 丸山太郎 表紙 中島紫痴郎 色紙 雑詠「大空」 石曽根民郎選 山彦集 同人吟 謡曲『三輪』の「かの人」雑考 附 寺子屋の小謡 室山源三郎 大空雑感 吉野圭介 川柳評明和八年万句合輪講(九十四) 誹風柳多留十三篇略解(十五) 課題「滑る…

一月

私は一度も会ったことがないが東京の春陽堂書店は古くから古川柳に関する諸題の単行本を出版されているので、何のお近付けも通さず些々たる「川柳しなの」を送り続けている。 今度、大栗葉丹後著す「裏隠密」叢書長く続いているなか、松本のところが出て来た…

一月

表情のうえの鬘がものを言う 往来の少し手前の知恵くらべ ぶつかり合いしごく目出度い音を出す 耐用に克ちたがる目がものを言う 胃のもたれ尽きせぬ話くり返し 緩和またどこかで眠り薬買う 結論に駆けつけたがる小さい虫 気疲れの果ては櫓のふとそびえ ぎこ…

六七〇号(平成十一年1月号)

題字 斎藤昌三 カット 丸山太郎 表紙 高木角恋坊 色紙 雑詠「大空」 石曽根民郎選 山彦集 同人吟 おもしろい講義―落語で物理学を 武藤禎夫 大空雑感 吉野圭介 川柳評明和八年万句合輪講(九十三) 誹風柳多留十三篇略解(十四) 課題「渦巻」 吉江義雄選 「…